【衆院厚労委】柚木・山井・古川議員 年金抜本改革こそ必要と主張

2006年6月16日

衆議院厚生労働委員会で16日午後、内山晃議員に続いて、柚木道義・山井和則・古川元久各衆院議員が質問に立った。

柚木議員は質問の冒頭、「年金納付率調査マップ」を示し、さながら「年金の偽装列島」とも言える深刻な状態だと指摘。社会保険庁自体の関与が問題の構造にあるのではないかと村瀬長官を追及し、しっかりと実態を明らかにするよう強く求めた。

柚木議員はまた、被保険者へ確認せず申請書に捺印した問題は私文書偽造にあたるとして「当たり前のことが当たり前にできていない」と批判。村瀬長官は処分の時期について明確に答弁しなかった。また、すでに大臣には告発義務があるという柚木議員の指摘に対し、川崎厚労相も全容解明が先であると述べるのみであった。柚木議員は、いざという時に責任を負うリーダーの条件が長官には決定的に欠けているとの認識を示した。

続いて山井議員が、根本的な問題は、国民年金のシステムにあるという論点から、村瀬長官や川崎厚労相と質疑を展開した。山井議員は「免除する人を増やすよりは納付する人を増やす。納付したい、納付しなければならないと思うような制度にするべきだ」と主張。民主党が政策として打ち出した「国民年金を含めた一元化」「歳入庁構想」に言及して、「正にこれが抜本改革だ」と指摘。不正免除問題のしわ寄せは、厚生年金や共済年金を納めている勤労者に向かうとも指摘し、国民年金の制度の問題を先送りするのでは解決にならないとした。

山井議員はまた、調査結果が公表される7月中旬に、委員会で審議を行うべきだと主張。処分や組織改革などについて、国会での真剣な議論を通じて信頼を高める必要があるとの考えを示した。

山井議員に続いて質問に立った古川元久議員は、党の歳入庁構想に関して政府の考えを質した。川崎厚労相は今回の社会保険庁の改革案である「ねんきん事業機構法案」が、「ファイナルアンサー」であると答弁し、歳入庁構想を否定した。

川崎厚労相は歳入庁構想否定の論拠として、歳入庁を設けた場合給付庁を設ける必要があること、国税と国民年金保険料では徴収対象が異なることを挙げた。これに対して、古川議員は「それは役所の視点だけの考え。国民の視点からの考えではない。国民にとってのコストを我々は考えて歳入庁を構想した」と鋭く反論した。

また、税と保険料の徴収対象が異なるから、業務の特性が異なるから歳入庁では無理というのではなく、異ならないよう見直して議論すべきだとした。さらに、「我々は歳入庁を徴収だけで考えてはいない。国民にとって便利ではないかと考えている」と主張した。最後に古川議員は、「もう一度政府として、国民の視点に立ってどういう徴収の仕組みができるのか、考え直していただきたい」として質問を終えた。