北朝鮮ミサイル発射問題を緊急議題に、外務防衛部門会議を開催

2006年7月5日

民主党は5日、北朝鮮がミサイルを発射したことを受け、外務防衛部門会議の議題に同問題を緊急追加した。会議には渡部恒三国会対策委員長、松本剛明政策調査会長をはじめ、『次の内閣』ネクスト外務大臣の浅尾慶一郎参議院議員、ネクスト防衛庁長官の長島昭久衆議院議員、ネクスト外務副大臣の武正公一衆院議員らが出席して、内閣官房、外務省など関係省庁から現状説明を聴取するとともに、今後の対応等を協議した。

冒頭、挨拶に立った渡部国対委員長は、「わが国の安全にとって大変なできごとが起こってしまった」と前置きしたうえで、1分1秒を争う大事な問題だと指摘。北朝鮮に対して厳重に抗議するとともに、日本の安全保障の観点で命がけで臨まなければならない大きな問題であるとの見方を示した。また、訪中している鳩山由紀夫幹事長に予定を繰り上げての帰国を求めたことを明らかにし、幹事長を中心に党としての対策を強化していくと表明した。「民主党よくやったという対応をしていきたい」とも述べ、その前提として、議論を深めてほしいと参加議員に呼びかけた。

続いて松本政調会長は、従来、北朝鮮外交は瀬戸際外交とされてきたことに関して、「伝えられたことが事実ならば、もはや瀬戸際外交を越えた無法者外交というべき手法だ。そうした手法は通用しないということを伝える必要がある」と指摘した。同時に、小泉政権下の5年間は空洞化の5年だとの認識を示したうえで、そのなかで北朝鮮外交はひとつの大きな柱のように見えていたが、ミサイル発射という形で結果が返ってきたとも分析した。

松本政調会長はまた、日中両国間の政治家同士のパイプ強化に向けて小沢一郎代表、菅直人代表代行、鳩山幹事長が訪中している最中に問題が発生したことに関連して、民主党と中国政府間のパイプを生かして、中国共産党に平和に対する挑戦であるとの民主党のスタンスを速やかに伝え、対応を促す行動を今朝すでにとったことを明らかにした。「国民の生命と財産の安全の根幹に関わる問題なので、責任ある対応をとっていきたい」とも述べた。

続いて浅尾ネクスト外相は、「この問題については民主党として国連安保理への付託を主張させていただくなど、いろんな対応をしていきたい」と表明。国民の視点に立ってしっかりと行動していきたいと宣言し、会議に入った。

会議ではまず、この問題に関する政府の対応について内閣府から経過説明があり、同時に内閣官房長官会見で示された「内閣官房長官声明」が提示された。また、防衛庁からはミサイル発射の概要について説明。外務省からは北朝鮮のミサイル発射問題に関連して海洋の科学的調査をめぐる日韓間の問題、中国船舶による日本の排他的経済水域における海洋調査活動等に関する報告があった。

北朝鮮ミサイル発射問題のほかには、日米首脳会談、G8外相会合、韓国の海洋調査問題等についてもヒアリングを行った。