日本漁船銃撃事件に関しロシア側に強く抗議すべき 会見で菅代行

2006年8月24日

 菅直人代表代行は24日、党本部で会見を行い、13日から18日までの間、四国八十八箇所霊場めぐりを行い、お遍路修行で難所といわれる38、39、40番の霊場寺院を歩いて訪れたことを報告。「お陰でいろいろな出会いもあって、リフレッシュになった」と語った。
また、その間の15日、靖国神社に参拝した小泉首相に関する取材を受けたとしたうえで、「その時点でも申し上げたが、少なくとも総理大臣という大きな責任を国民から与えられているにもかかわらず、結局、公より私を優先する行動をとったという意味で、政治家としては失格だと感じた」と語った。

同時に、お遍路修行でまわった四国南西部の過疎化が進んでいる印象を踏まえ、歩けば歩くほど小泉政権による地方を切り捨ての深刻さを切実に感じたとして、「このまま行ったら高知はどうなるのかと真顔で聞かれた。危機感は大変強いものがある」として、地方の住民人自身が一層切実に受け止めていることを改めて痛感したとした。

 続いて、ロシア国境警備庁の警備艇による日本漁船銃撃・拿捕事件に言及し、「国境線が確定していないという問題が背景にあるとしても、武装していない漁船を銃撃して、漁民を殺傷するというのは明らかに間違った行動である」と指摘。しっかりと協議し、日本としての姿勢をロシア側に強く示すべきだと述べるとともに、民主党としては23日にロシア臨時代理大使に対して鳩山由紀夫幹事長が党の見解を明確に伝えていることを明らかにし、特に人命殺傷についてはしっかりと抗議していくことが重要だとの考えを重ねて示した。

 この問題に関連して二島先行返還の考え方もあり得るとの見方を鳩山幹事長が示した点をどう受け止めるかを記者団から問われたのに対しては、「4島の主権が日本側にあるということを前提としながら、現実に主権を回復するときに4島一括でいくのか、2島を先行し、その後の課題としてさらなる2島についてもいろいろな話し合いを進めていくとの趣旨の発言ではないかと思う」と分析。4島の主権が日本にあるとの立場については従来からの民主党方針と一致するもので、打開の道として認識であろうとの見方を示した。

 さらに、この問題をめぐっては、小泉政権下で問題解決に向けて動き出すのかという若干の期待があったとしたうえで菅代行は、「しかし結局、終わってみれば日ロの問題もどちらかというと現状がますます固定化される方向に結果としてなっているし、他の国々との関係が大変冷え込んでいるという点も別の問題としてある」と指摘。小泉外交の失敗の一端がこうした問題に表われているとした。